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「うちの子、文章を読むのが苦手なんです。」③
昨日・一昨日の読解が苦手な原因についての記事の続きです。
まさかの三部作の大作になっていしまいましたが、お付き合いください。
「うちの子、文章を読むのが苦手なんです。」①
「うちの子、文章を読むのが苦手なんです。」②
①②は読解が苦手な原因には、「そもそも読んでいない」「漢字力が弱い」ということがあります、というお話でした。
今日は「漢字力をつけるには?」「読解力を伸ばすには?」、まとめて国語力をつけるコツについてお伝えします。
漢字力をつけるには?
漢字だけに限りませんが、覚えているものと覚えていないものをしっかり区別することが大切です。全部を混ぜてひたすら書いている子もいますが、非効率で覚えるものが増えてくるときつくなってきます。
まずは書けるかどうかをチェックし、書けない字をピックアップして練習。少したったら、またチェックして、覚えきれなかったものをまた練習・・・の繰り返しが大事。
九九を覚え始めたときや、古文の暗唱をしたときのことをイメージしてみると、分かりやすいかと思います。覚えて、言ってみて、覚えて、言ってみて、の繰り返しだったはずです。
他の暗記も一緒。一発で覚えようとせず、少しずつ覚えて、少しずつ書けない漢字を減らしていけばいいんです。途中でどれだけ間違えたかなんて関係ありません。「間違い」こそが大事。子供たちは×が嫌いなので、最初から完璧にしようとしてしまいますが、×がだんだん減っていくことに喜びを感じられるようになるといいですね。
読解力を伸ばすには?
ここまでは国語を苦手ではないようにする方法でしたが、どうせなら得意と言えるようにしたいですよね。
中学生くらいになると、国語の成績で他の教科の成績もだいたい分かります。国語が80点以上なら、他の4教科は90点以上も可能。もし国語が40点程度なら、他は60点でよく頑張ってる、という感じです。国語の点数+10~20点がだいたい限界かなというところでしょうか。
一般的には国語の力をつけるには、「読書をしなさい」だとか「新聞を読みなさい」などと言われます。いったいなぜでしょうか。
一つ目の理由は、「語彙数を増やす」ためです。
知っている言葉が多ければ多いほど、文章の理解度は上がるのは当然ですよね。なので、読書をしてもジャンルが偏っていると、語彙も偏ります。ゲームが好きな子は、ゲームに出てくる用語は結構難しい漢字も読めるようになることもよくあります。また、図書館で借りた本の数は多いけれど、たくさん借りることが目的になって、簡単な本ばかりという子は、思ったほどは国語の力はついてきません。
二つ目の理由は、「疑似体験」ができるからです。
成長には経験が不可欠です。しかし、子どもは生きてきた年数そのものが短いので、いろいろな経験の量も多くありません。保護者の方が子どもをいろいろな場所に連れて行き、さまざまな体験を増やす努力をしていらっしゃいますが、どうしても限界はあります。
しかし、読書なら登場人物を通して、近い「疑似体験」ができます。例えば世界各地や過去に行ったり、さまざまな人と出会ったりすることは現実では難しいですが、本の中では気軽に何でもできてしまいます。これこそが、読書の最大の意義ではないかと思います。
YouTubeやテレビ、ゲームでもいろいろな世界に触れることはできます。しかし、インパクト勝負な面もあるコンテンツですので、深く考えることは少なく、あまり頭は使っていません。ここまで分かっていて、学ぼうという姿勢で見るならば、有意義なこともありますが、子供にはまだ難しいでしょう。
国語力とは?
「語彙を増やす」ことと「疑似体験」することが、読解力、ひいては国語力に必要なわけですが、別に読書でなくてもいいわけです。しようと思えば誰でも気軽にできるので読書が望ましいですが、初めは文字だらけの本は理解不能という子もいます。最初は漫画や図鑑なんかでもいいと思います。まずは興味のある所から。
信長や秀吉などの伝記漫画や歴史漫画、サバイバルシリーズ、ひみつシリーズあたり次のステップに良いかもしれません。ジブリ作品やサザエさんなんかも少し前の時代を体験するにはもってこいです。「縁側」や「いろり」と言っても、もう伝わらない子が多いですから。
「語彙」や「経験」が増えると、背景知識が増えます。背景知識とは、文化や歴史であったり、慣習や生活様式であったりといった予備知識みたいのことです。いわゆる「教養」です。細かいテクニックでも点数は多少上がりますが、どれだけ背景知識=教養があるかで爆発的に国語力は上がります。
もう一つは、「会話力」や「作文力」が上がります。国語は読むだけではありません。確かにテストは読み書きがメインですが、自分の伝えたいことを分かりやすく伝えることも大切な国語力です。3回にも渡って長々と文章を書いているようでは、国語力はまだまだなわけです。
最後に、この夏にバズっていたある農業研究者のツイートをまとめたサイトをご紹介。
もともと塾を主宰していたとのことで、一つの説ではあるけれども、意識したい着眼点かなと思っています。
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