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「うちの子、文章を読むのが苦手なんです。」②
昨日の読解が苦手な原因についての記事の続きです。
まだお読みでない方は是非ご覧ください。
簡単におさらいすると、「うちの子、文章を読むのが苦手なんです。」という相談をよくいただくのですが、その原因として「そもそも読んでいない」という子は意外といるので、「ちゃんと読む」練習が必要です、というお話でした。
ただ、全員が「読んでいない」わけではなく、他に原因がある子もいます。
読解が苦手な原因②「漢字力が弱い」から!
日本語の文章では、大切な内容に漢字が多く使われます。そのため、漢字力が弱いと文章の大切な部分が読めず、何が書いてあるのか分からなくなってしまいます。
英語の長文を読むときに、分からない単語が多く、読み進めるのが苦痛になったことがあるという保護者の方もいらっしゃるのではないかと思います。
漢字力が弱い子にはそれと同じことが起こっているわけです。試しに上の見出しの漢字を塗りつぶしてみます。
読解が苦手な原因②「漢字力が弱い」から!
↓
■■が■■な■■②「■■■が■い」から!
何が言いたいかさっぱり分からなくなってしまいましたね…
実際にここまで漢字がまったく読めない子はいませんが、学年が上がるにつれ、分からない漢字が増え、上の状態に近付いていきます。分からない漢字が出てくると、なんとなくの雰囲気で読んだり、なんとなくで読み飛ばしたりするので、文章の理解度が著しく下がります。 「なんとなく」が非常に怖いのです。
1学期のアン小学生テストの漢字と読解問題の関係を調べてみると、次のような結果が出ました。
上の図は小学4年生のみのデータですが、読解問題のできと漢字の点数の取れぐあいは、やはり基本的にシンクロしています。読解問題ができているが漢字ができていないという子(上のグラフだと左上に点がある子)は、他の学年でもいませんでした。
読解〇漢字〇
読解×漢字〇 読解×漢字× 読解〇漢字× |
→問題なし
→「そもそも読んでいない」可能性あり →漢字ができていないから内容が分からない →まれなパターンだが、純粋に漢字を書けるようにする努力不足か |
全国の小学生の漢字定着率の平均は、1年生や2年生は9割以上ですが、3年生で8割を切り、4年生以上では7割以下だそうです。
国語に限らず、何事も「できない」ときは、その手前にある基礎がおろそかになっています。読解力が弱いと感じたら、漢字力を疑ってみてください。漢字がしっかり身につけば、それだけで改善されるかもしれません。
せっかくなので国語力をつける方法を…と思いましたが、長くなったのでまた明日。